2010年5月30日日曜日

山田風太郎の世界 忍法八犬伝④ 

曲亭馬琴の「南総里見八犬伝」の大作を現代の天才作家がどのように作品化するのかと興味は尽きない。読み終えて間違いなく面白かった。あきれ返った奇想天外の忍法を使って里見家を取り潰そうとする大越所と本多佐渡守正信の戦いに八犬士が勝利を収めるというストりーは、作品の単なるパロディー化でなくて全く風太郎世界の別バージョンの作品に仕上がっているから天才だ。安房里見家に代々伝わる八顆の宝珠。将軍に献上される予定だったこの珠が、服部半蔵ひきいる伊賀組の手によって盗まれてしまう。里見家の取り潰しを狙う幕府の重鎮・本多佐渡守の陰謀である。九月九日の期日までに珠を取り返さなければ、お家断絶は免れない。

2010年5月23日日曜日

山田風太郎の世界 伊賀忍法帖③

風太郎先生の忍法作品の第11作目で昭和39年に刊行されました。この作品も瞬く間にペストセーラーとなりました。とにかく面白い。風太郎の世界ではいつも忍者が時の権力者に使われて権力者の意のままに葬られ死んで行くのである。風太郎はこの忍者に光を与え愛しんでいるのです。「甲賀忍法帖」は甲賀忍者と伊賀忍者との10人対10人のトーナメント方式の戦いでしたが、この作品は1人のヒーロー対多数の敵という方式の作品でした。戦国時代から江戸時代にかけて、別に根来派という一派がいて、この作品は7人の根来流忍法僧とヒーロー笛吹城太郎との死闘の限りを尽くした痛快巨編です。

江戸から東京へ(八) 小石川

矢田挿雲の最後の8冊目です。8冊目は平成11年版新版を購入しました。 写真は旧カバーです。後楽園を中心に、徳川頼房、水戸黄門にまつわる数々のエピソード、茗荷谷、白山、音羽にのこる史跡・史話、切支丹屋敷をめぐって幕府の異教徒弾圧の歴史を展開するなど、小石川にのこる江戸生活を描き出す。新版は字体が大きく読みやすいことと写真が旧版に比べて豊富なので新版を揃えることにしました。もう一度最初から新版で読破したいと思っている。

江戸から東京へ(七) 深川(下)

花柳気質の粋をもって任じた羽織芸者、いなせな鳥追娘、娘義太夫の流行を初め、梅暦の春水と 田舎源氏の種彦、寺門静軒の江戸払いなで、天保の改革に揺らぐ辰巳の里を中心に深川江戸っ子の風俗と生活を物語っています。

2009年11月28日土曜日

江戸から東京へ(六)  向島・深川(上)

向島の花暦、三囲神社縁起、長命寺と言問団子、百貨園の堂摺連、小松島の由来、水神の森、柳北の四顧開花桜、富岡八幡宮、永代橋墜落の椿事、芭蕉庵の跡、御材木蔵など、隅田河畔は向島・深川を中心に、興味溢れる瀟洒な江戸趣味を展開する。

2009年11月3日火曜日

江戸から東京へ(五) 本所(下)

本所番場に仮宅した蘭方位伊東玄朴の活躍を初め、シーボルト事件、相次ぐ外国使節の来朝、吉田松陰の密航、唐人お吉、ジョン万次郎の話など、風雲急を告げる幕末の世相と庶民の日常を巧みに描く東京歴史散歩。特に阿部伊勢守正弘の人物像の話は面白かった。色々なエピソードから最も粋な閣老として描いている。名宰相としては、寛政の改革の白河楽翁(松平定信)も、天保の改革の水野忠邦越前もあるが、政治上には、虚名よりも実績を尊び、私生涯には、寛大仁怨の徳をしき男からも女からも慕われ、花も実もある39年の短い生涯の側面に、桜餅屋の看板娘が、寄り添うとろなどはほかに真似人がない。

2009年10月15日木曜日

江戸から東京へ(四) 本所(上)

鼠小僧、加藤千陰、京伝と京山、竹本義太夫、待乳山楯之丞など回向院をめぐる史話、吉良屋敷にのこる赤穂浪士義挙の跡、おいてけ堀、足洗え屋敷、斬られ地蔵などの面妖 陰暗の伝説など、狸の本所は両国を中心に江戸を探る興味あふれる歴史散歩。